タイピングで「未来」を変える
↑ | 技術 | 調査 | かめ吉 | お申込み(千葉日報)
1989年:時価総額上位50社のうち32社が日本企業
我が国は明治以降、欧米の様々な技術や文化を受け入れることで発展してきました。たとえば米国でマイカー文化が広がりを見せ、ハーバート・フーヴァーが、”A chicken in every pot and a car in every garage”(どの鍋にも鶏を、どのガレージにも車を)というスローガンを掲げて大統領に当選した頃(1928年)、日本では人力車が主流であり、自家用車がほとんどありませんでした。ところがこのような日本が、敗戦後、十年余りで、自動車大国「米国」に自動車を輸出するまでになり、1980年には米国の自動車の生産台数を抜いて世界一位となりました。 [1]鉄鋼や電子機器などの関連産業も潤い、最終的に1989年(平成元年)には、時価総額 上位50社のうち32社が日本企業。トップ5を日本の企業が独占するといった状況になりました [2]。
2023年:時価総額上位50社のうち日本企業は0社
ところが、90年代に入り、オフィスでパソコンが普及し、人々がキーボードと対峙するようになると、状況は一変します 。マイカー文化を喜んで受け入れた日本人の多くがキーボード操作に心を弾ませることがなく、日本では、GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)のようなICT企業が育ちませんでした [3] [4]。2022年には時価総額上位50社のうち34社が米国企業 、5社が中国企業 。日本企業でランクインしたのはトヨタ自動車1社だけとなりました [2]。そして2023年、ついに日本企業がランキングから消えました。
日本衰退の原因も実は些細なことかもしれない?
もちろん、日本経済衰退の原因はいろいろあると思いますが、日本がキーボード文化を受け入れなかったことも日本の国際競争力低下の一因となったのではないかと考えています。そもそも米国などでは、19世紀後半(明治時代初期)からタイプライターが使用されるようになり、教育やビジネスの場でタイピングスキルが重視されてきました(CCSS [5])。これに対して日本の一般の人々がキーボードに触れるようになったのは1世紀以上後。20世紀も終盤に差しかかった頃でした。 [6]、
たしかに手書きのほうが便利な場面もありますが、第四次産業革命が進む現在にあって、キーボード文化の攻勢に手書きで対抗するのは難しい状況となっています。FAXを多用してきた日本の中小企業も、そろそろキーボード文化を受け入れたほうがよいのではないでしょうか。 [7]
「かめ吉」はキーボード文化普及活動を通して、より良い社会の実現に貢献します。
1. 時事通信社. 図解・経済 戦後70年・鉄鋼産業の戦後の歩み. 2015年5月20日.
2. フォースタートアップス株式会社. 【STARTUP DB 独自調査】2022年世界時価総額ランキング。世界経済における日本のプレゼンスは? 2022年1月26日.
3. 内閣府. 世界のテレビの生産シェアの推移. (引用日: 2022年9月15日.)
4. 國井晋平. ノート PC の市場動向. 東芝レビュー Vol.60 No.8. 2005年.
5. Common Core State Standards Initiative. Common Core State Standards. (引用日: 2022年10月17日.)
6. コトバンク. 百科事典マイペディア. タイプライター. (引用日: 2021年12月5日.)
7. 福﨑技術士事務所. 金属のおはなし タイタニック号は低温脆性で沈没した. 2019年5月24日.