全国学力テスト
CBT化
CBT化で読解力が急落、日本1位→11位
2015年、PISAの読解力テストが紙からコンピュータを使用したCBT(Computer-Based Testing)方式に変更されると、日本の読解力順位は1位から11位に急落。「日本語が読めない子どもたち」が話題になりました(PISA2018 OECD加盟国中の順位)※。ところが、コロナ禍、日本の学校でパソコンの活用が進められ(GIGAスクール構想)、生徒がパソコンに触れる機会が増えると、日本の順位は11位から2位まで急上昇(PISA2022 OECD加盟国中の順位)。
キーボード操作が必要な記述式問題の正答率が低かったことから、入力スキルがPISA読解力順位に影響を与えたのではないかと思われますが、このような現象は全国学力テストでも起こる可能性があります。

※「スマートフォンが普及したせいで、日本人は本を読まなくなり、その結果、日本語を読めなくなり、日本の読解力順位は1位から11位まで急落した。
しかし、一生懸命勉強したため、日本人は再び文章を読めるようになり、世界で2位の読解力を身につけた」
──このような通説に、異を唱える声はほとんど聞かれませんでした。
けれども、1位 → 11位 → 2位という順位の変動は、それぞれわずか数年の間に起きた現象です。果たして、数年のうちに日本語を読めなくなったり、また読めるようになったりすることが、本当にあり得るのでしょうか。
読解力とは、単なる一時的な習慣や流行によって左右されるものではなく、長年にわたる教育・文化・社会環境の積み重ねによって形成される能力です。このような急激な変動を、読書習慣の変化だけで説明するのは、無理があると言わざるを得ません。
そもそもこの通説は、次のような根本的な疑問に答えていません:
・世界中でスマートフォンが普及しているのに、なぜ日本人だけが文章を読めなくなったのか
・スマートフォンの使用によって、むしろ文章を読む機会が増えたのではないか
これらの疑問に対して、より自然な説明は次のようなものではないでしょうか。すなわち、
・PISAの読解力テストが紙からコンピュータ(CBT方式)に変更されたことにより、パソコン操作に不慣れな日本人のスコアが一時的に急落した。
・その後、小中学校で1人1台端末の整備が進み、パソコンを使用する生徒が増えたことで、ICTスキルが向上し、テストへの対応力が改善された結果、スコアが回復した。
このような説明のほうが、教育現場の実態や国際的なデータとも整合性があり、読解力の本質を見誤らない冷静な分析と言えるのではないでしょうか。
ちなみに、ICT活用先進国エストニアの読解力順位は、日本が1位だった2012年には7位でしたが、テスト形式がCBT方式に変更された2015年には日本を抜いて4位に上昇。そして、日本が11位まで転落した2018年には、エストニアが1位となりました。
エストニアでは行政手続きのデジタル化が世界で最も進んでいるとされており、国民がパソコン操作に慣れていたため、CBT形式のテストにスムーズに対応できた可能性があります。
余談ですが、日本人の国語力は昔から高く評価されてきました。
たとえば、太平洋戦争終結直後に実施された調査では、「漢字をまったく読み書きできない者」は2.1%、「かなさえ正しく読み書きできない者」はわずか1.6%。日本の識字率は当時から世界トップレベルでした。
また、今回テスト形式がCBT方式に変更される直前のPISA2012では、日本の読解力順位は1位。ほぼ同時期に実施された国際成人力調査(PIAAC)でも1位を記録していました。
たしかにPIAACでは、読解力の習熟度がレベル2以下の人が27.7%、日本人の4人に1人以上が文章を正しく理解できないという点が問題視されましたが、他国と比べれば日本人の読解力は圧倒的に高い水準にありました。
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